天然パーマです。

女子フィギュアスケート―氷上に描く物語

女子フィギュアスケート―氷上に描く物語 八木沼 純子
女子フィギュアスケート―氷上に描く物語

いよいよトリノオリンピック開幕、昨日のモーグル、予選しかみていないのだけど 上村愛子さん5位ですか。メダルが取れずに残念という記事を見かけるけど、 俺は彼女の「アイドルルックスにも関わらず、怪我にも負けずに、けなげに努力し、 トップアスリートとして観客を魅了する姿」にいたく共感しているので、 今後の彼女の人生が豊かになるように一ファンとしてお祈りいたします。

で、この八木沼純子著の新書「女子フィギュアスケート」。 昨日都内でミーティングがあって、そのときに俺にとってものすごく意味のある本の存在を知って (これについては後ほどの記事で)、恵比寿の有隣堂で探したら売り切れで、 たまたま目に付いて興味にとまったので、購入。そのまま恵比寿−大船間で全部読む。 八木沼さんの昔の話はかなりかっとんで読んだけど。 以前村主章枝さんを取材した関係で、 フィギュアスケートの持つ魅力に惹きつけられ、昨年の全日本フィギュアスケート選手権では いたく感動した。 ま、というわけで自然とこの本を手に取ったのですよ。

読んでみると日本の女子フィギュアは世界でもものすごい強いことがわかる。 荒川静香って世界ランク1位だった時があるんだ、とか、今回のオリンピックで3人出場ってのもすごいことなんだ、とか 安藤・浅田真央の登場は世界を震撼させたんんだとか。 あとは、ジャンプの種類がアクセルとかルッツとかフリップとか、いろいろあって何がなんだかわからなかったけど、 その解説が書いてあったり、採点方法についても、もとオリンピック選手からの視点で書かれていて 納得できた。

また、このフィギュアスケートというスポーツに関する実状も述べられていて興味深い。 日本は光熱費が高くかかるので、その分他の国に比べて、リンクを運営する時のコストが高くなる。 そこで今、スケートリンクの閉鎖が相次いでいる。 その一方で、競技人口が増えているというのも事実だ。

去年の全日本フィギュアスケート選手権はフジテレビがクリスマスに連夜放映し、 裏番組にM-1(テレ朝だっけな)などの特集があるにも関わらず、それらを抑えて、 20だか30%だかの視聴率を得たらしい。 実際真剣勝負で、彼女らの背景が表現されて、やっぱり面白い、それが日本全体にも認知されている証拠だと思う。 女子フィギュアだけでなく、これは「真剣勝負が行われるスポーツ」全般に言えることだけど、 スポーツが面白い時代に日本もなってきたなという印象。

最後に、この本の個人的な感想として最後に結び。 フィギュアスケートをやるってのは、 お金もかさむし、才能も必要だし、そうなると「スケートに始まりスケートに終わる」なんていう 生活を小学生からずっと続けることになる。とにか特殊なのだよね。 それは村主さんを取材してて痛感したこと。こうした、特殊な環境の中で、世界のトップとしてやっていくというのは単に肉体的な強さ以外に、 精神力とか魂とか哲学が求められると思う。逆にそういうのがないとトップクラスで活躍できないのかなあと思う。 だからこそ、今回の3人の代表(もちろんそれ以外の中野選手、恩田選手etcも)はやはり心から尊敬できるし、 その背景が競技からにじみ出てテレビみてて感動してしまうのが面白い。 3代表の皆様のトリノオリンピックでの活躍を期待したい、そしてもっと感動させて。