今日でCloudflareに入社してちょうど1年が経ちました。
DevRelチームに所属し、Developer AdvocateとしてHonoの開発をメインに活動してきました。 41歳にして初めての会社員ですが、楽しい時間を過ごしています。今日はそのことについて書いてみます。
入社までの経緯
詳しいことは入社時のブログに書いたのですが、その経緯を再び。
2021年の12月にHonoというCloudflareで動くWebフレームワークをつくり始めて、それがだんだんと人気を得ていきました。
2022年の10月、CloudflareのエンジニアGlenが「Cloudflareで働くのに興味はないか?」と声をかけてくれました。当時UKに住んでいた彼が、地元のオーストラリアに戻りたいので、同じタイムゾーンのエンジニア仲間を探していたのです。ちなみに、GlenはCSS in JS「styled-components」の作者です。あとから知ってびっくり。
その後「一度オンラインで話してみないか?」と言われOKをすると、実はそれが面接で、それを5回くらいやって、しばらく音沙汰がなく、これは無理かなと思ったが、催促すると「2日待て」と言われて、2日後にはリクルーターから連絡があり、あらよあらよと事が進みめでたく入社となりました。
そういえば、社内のとあるチャットルームを遡ると「Honoの上でQwikを動かしたからCloudflare Pagesでも動くようになったぜ」という僕がTwitterに書いてるのをみて「We should employ that guy!」という発言があって、それを見てゾクゾクしましたね。
DevRelチーム
僕はDeveloper Advocateというロールで、Developer Relations、略してDevRelというチームにいます。それは「Emerging Technology and Incubation」、略してETIという部署の中のチームです。直訳すると「研究開発」みたいな意味合いになりますが、Cloudflareの場合「Cloudflare Workers」とその周辺のプロダクトを作っているところです。Glenをはじめとしたエンジニアがいて、DevRelチームは開発とものすごく近い場所にいることになります。僕にとっては、自分が大好きだったプロダクトの開発の裏側を知れて、めちゃくちゃ楽しい。
メンバーは個性派揃いです。
Developer Advocate以外に、Discordの管理をするロールもあります。また、「Educator」という聞き慣れないロールもあったりします。
住んでる場所もバラバラです。
- ロンドン
- アムステルダム
- リスボン
- メルボルン
- サンフランシスコ
- オースチン
- ニューヨーク
- 東京、というか神奈川
以下はまだメンバーが6人だった頃に場所と時間をプロットした図です。
そして、みんなユニーク。例えば、去年の年末に入ったEducatorのCraigは入ってきてからバリバリコードを書いて、チュートリアルを更新し、それだけではなく最近は「俳優」になっていて、先日公開された「Developer Week」を紹介するビデオではテンションの高いおじさんを演じています。これ、めちゃくちゃおもしろいのでみてください。
僕が入った時には6人だったのが、どんどん新しいメンバーも加わり、現在12人のチームとなりました。とても楽しい人達です。
寝て起きてコード書いて寝て起きてコード書く
たまに「入社して生活は変わりましたか?」みたいな質問をもらうんですが、あんまり変わってないです。入社前は業務委託で在宅が多く、比較的自由に時間を使えて、Honoの開発も空いた時間をみてやってました。寝て起きてコード書いて、寝て起きてコード書いて…を繰り返す毎日です。入社したあともHonoの開発がメインなので、その割合は違えど、寝て起きてコード書いて、寝て起きてコード書いて…は変わらない。なので、大きく変わった感じはしません。寝て起きてコード書いて、寝て起きてコード書いてます。
打ち合わせは2週に1回
定期的な打ち合わせは今はたった2週間に1回しかないです。というのも週1回でやってたころは日本時間で23時30分とかでさすがに辛いってことで、1週間ごとにヨーロッパフレンドリーな時間帯、アジアフレンドリーな時間帯とやることになり、つまり隔週だけのミーティングになりました。
それでも、DevRelチームはみんなやってることがバラバラなので、なんとかなります。逆にプロダクトの開発だとシンクしなくてはいけないのでやっていけないなと思います。
時差
昼間はチャットが静かですが、寝る直前の時間になってから盛り上がります。USのメンツの活動が活発になるからです。そうするとベッドに入りながらスマホでその様子をみたりしていて、もういつ起きていればいいのか分からない。
今の生活リズムははたから見ると大変なことになっていて一日3回寝てます。ミーティングの時間をずらしてもらったのですが、これだとどちらも出れますね。
- 0時〜3時 寝てる
- 3時〜7時 起きてる
- 7時〜9時 寝てる
- 9時〜13時 起きてる
- 13時〜15時 寝てる
- 15時〜0時 起きてる
でも、昔から昼に長く昼寝をする生活をしていたので、苦ではない。むしろ、自分は寝起きの時に集中力が高いので、そのタイミングが1日3回来ると考えれば効率がよいです。
そういえば、昨日僕が深夜作業しているのをCraigが知って、こうコメントしてました🔥
Burning the midnight oil with the flame of Hono
Hono
相変わらずHonoを作っています。Developer Advocateは自社のプロダクトと開発者をつなぐ役目なのですが、以下の三段論法でHonoをつくることは理にかなっています。
- Honoを使うと、開発者はCloudflare Workersのアプリケーションを簡単に作れる。
- 私がHonoを開発する。
- 私は、開発者がCloudflare Workersのアプリケーションを作ることを手助けしている。
Honoはいまだ急成長をしており、GitHubのスターが今「14K」となっています。
また、これがすごい。各種フレームワークにはSvelteならcreate-svelte
、Remixならcreate-remix
というようにcreate-framework-name
というプロジェクトを初期化するためのCLIがあります。Honoにもcreate-hono
というパッケージがあります。そのダウンロード数をグラフにするとcreate-hono
がどんどん伸びていて、なんとcreate-solid
、create-qwik
、@angular/create
を抜いている。
これからもガンガンいきます。
Workers Tech Talks
100%、Honoの開発をしているわけではありません。だいたい70%くらいで、残りの30%はイベントの開催、イベントの登壇、チュートリアルやデモ、ドキュメントの作成をしています。
その中でも「Workers Tech Talks」というイベントをやれたのは大きな成果です。これまで東京で2回、大阪で1回やりました。
Cloudflareの事業はセキュリティ、WAF、ゼロトラストなど多岐に渡るのですが、このWorkers Tech Talksは「Cloudflare Workers」及びその周辺のプロダクトに限った、開発者による開発者のためのイベントです。発表者は基本的に僕が声をかけます。彼らには事前に「『Cloudflare Workersとは?』という話はしないでください。聴いてる人を置いてけぼりにしてもいいです」と言います。一人あたりの時間は長くても20分。限られた時間の中で、初歩的な解説をいれるよりか、発表者が好きなことを好き勝手にしてもらった方が楽しいでしょ?置いてけぼりになった人には申し訳ないとはいえ「なんだか分からないが面白そう」という趣旨の感想をいくつかもらっており、企み通りです。
東京では1回目が100人、2回目が90人。大阪では25人の人が参加してくれてました。以下は大阪の時の写真です。
Ricky
去年の年末、東京でやった「Workers Tech Talks #2」に僕のマネージャーであるRickyがゲストとして参加しました。Rickyはちょうどアジア、オセアニアに出張で来ていて、そのタイミングに合わせてイベントを開催したというわけです。
Rickyと会うのは当然初めてです。しかもこれまでオンラインでもまともにふたりきりで話したことがない。そんな彼が東京へ来るとのことでもう会う前はめちゃくちゃ緊張してしまった。初対面の日にふたりでぎこちなく豊洲のチームラボプラネッツにいったのをよく覚えています。でも本当に会えてよかった!
以下はWorkers Tech Talks #2でみんなで撮ったお気に入りの写真です。
DevRel Team Summit
メンバーとは以前から「みんなで集まりたいね」と話していました。それがなんと先日叶いました!4月の頭に、USオースチンで「Developer Relations & Community Team Summit」が開催されたのです。他にもドキュメントチーム、開発よりのマーケティングメンバー、プロダクトマネージャー、エンジニアもいました。3日間、オフィスの会議室で話し合いをして、朝食にはタコスを食べて、コミュニティイベントに参加したり、ビデオを撮ったりしました。
とにかくみんなに会えてめちゃくちゃ楽しかった!それはそうです。1年間。人によっては入社前からオンラインで知ってる人たちにやっと会えたのですから!
マックフルーリー5つ
DevRel Team Summitの最終日の夜、一部のメンバーは「ディナー」に招待されていたのですが、Rickyを含めうちのチームのメンツ5人はあぶれてしまった。仕方ないので僕が「オースチンの寿司はうまいのか?」と言って寿司屋に行くことになりました。「KYOTO BEER」を頼んだら抹茶味のビールだったり、金目鯛になにかがぶっ刺さっていました。
その後、散歩しているとマクドナルドの話になりどうやらみんなマックフルーリーが好きらしいです。しかもオレオ味は世界共通。ところが、リスボンに住むベロニカが「ポルトガルのマクドナルドは緑色をしている。赤いマクドナルドを見たい!」と言います。そこで、みんなで車に乗り郊外にあるマクドナルドまで行きました。ドライブスルーで頼んだのは「マックフルーリー5つ」。みんなで車の中でマックフルーリーを食べるというシュールなことになり、そのエピソードが平和でとても気に入っています。
Sunil
4月5日にCloudflareはリアルタイムコラボレーションのプラットフォームをつくる「Party Kit」の買収を発表しました。
これは胸が熱い。
以前もCloudflareに所属し、Workersの開発環境であるWranglerのコードをバリバリ書いていたSunilは、Honoが無名だったころに「This looks like a pretty neat batteries-included framework for Cloudflare Workers! Nice work @yusukebe」とツイートしてくれて、それがとても励みになりました。
This looks like a pretty neat batteries-included framework for Cloudflare Workers! Nice work @yusukebe https://t.co/hnoknUIjds
— sunil pai, etc. (@threepointone) May 19, 2022
実はParty Kitを立ち上げた代表がそのSunilで、いよいよ同じ会社で働くことになったというわけです。
ドリームチーム
ETIのメンバーはみんな優秀だなーってつくづく思います。それはつまり優しくて、スキルがある。また、会ってみるとみんな想像していた以上に若く、ノリがよい。Cloudflareのプロダクトのアップデートはとても素早いのですが、このメンバーだからできることなんだと思います。そして、その一員でいれることを誇りに思います。
2年目も楽しんで働けそうです。
以下はDevRel Team Summitの時にオースチンの事務所で撮った写真。中の人っぽい!